BMの今では昔の話 (13)

大雪が降っているこの夜中に差し迫っているように門を叩く音に身辺の恐ろしさや恐れも忘れて反射的に玄関に走っていった。 玄関の大型ガラスドアの外にがっしりした男3人が立っていた。 彼らはこういう急に悪化した状況でまず私を安心させようとする考えで門を開ける前に自分たちの身分証をガラスドアに当てて見せた。
身分証には亜南産業監査室長000と書かれていた。 まず安心して彼らを中に入れるようにした。 彼らの思いでは夜登山をするために江陵(カンヌン)側から大関嶺(テグァルリョン)を越えて大関嶺(テグァルリョン)サービスエリアまでを目標にして出発したが大雪で方向感覚を失ってさまよい遠くにゆらいで見える研修院の外灯一つを見て必死にここまで駆け付けたという。
ペチカ(ペチカ)にクヌギの木の薪をたっぷりくべて、からだをあたためてもらい、生死の別れ目で必死にここまで駆け付けたドラマチックな話を聞き、ラーメンもつくり,マ嘉木の実(山岳地帯だけで自活する木)で漬けた薬酒も一杯ずつ分けてゆっくり一夜を休むようにした。
彼らは帰って毎年年末になると命の恩人だと年賀状を送ってくれたりした。
この頃全南(チョンナム),海南(ヘナム)のある古い寺があってその寺にハムをする僧侶があった。 その僧侶とは江原道(カンウォンド)にある時も何度も交信したことがあるのに交信カードの代わりとしてA4用紙に心を込めて筆文字を使って送ったことを思い出す。

青山は私をみて言葉なく生きよと
青空は私をみて微塵なく生きよと
憤りをすて貧欲もすて
水のごとく
風のように
生きて行きなさいという.....000僧侶様

ある佛経にあるお言葉というのだが忙しく生きる私たち衆生らに自分自身を一度見つめなおす良い一節だと考える。
大関嶺(テグァルリョン)頂上から雲海がいっぱい広がった山すそを眺めて良い暮らしをしたいと人間くささを漂わせてうごめく衆生らを考えて何度もこの一節を詠じてみたりもした........
つづく.....

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