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Unforgettable Brass Pounders 15
98/01/06

N4AR,Bill,がSSBで出ているのを未だかって聞いたことがない。CW lover の多いWにあっても、彼は指折りのCW loverである。彼については、別なところでコメントされているし、私もそれに付け加えて発言しているが、忘れ得ぬCWオペの一人でもあり、改めて御紹介しよう。

Billはケンタッキーに済む循環器内科の医師である。広大な敷地に10数本の高いタワーを上げ、数多くのモノバンダーを用いている。数年前までは、ドレークのT4,R4のぺアーを各バンド専用にセットアップしていた。現在はテンテックのリグをやはり各バンドに一台づつ用いている。とりわけローバンドのCWが好きなようで、現地の朝早くトップバンドから7メガあたりに出没している。私は7メガで交信することが多いのだが、7メガは40メーター以上に上げた3エレで、他のW4のビッグガンに比べてもとりわけ強力である。

彼のCWは、エレキーを用いたオーソドックスなものであるが、W4からの特有なフラッターをわずかながら伴う強力な信号は忘れがたい。オペレーションも一流で、old timerにありがちな一人相撲の演説には決してならず、簡潔にかつ気持ちを込めて送られて来る彼のメッセージは素晴らしい。一回一回の交信が1時間以上にわたる等といったことにはならないが、毎回彼から送られる情報の内容は豊かなものだ。先日、私が雷の直撃を受けた時に、雷対策をどうしているのか伺ったら、その要点を数分で教えて下さった。(これについては、雑誌で発表の予定。)1970年台タワー群を上げた当初は雷で被害をしばしば受けていたが、今の対策を取ってからは雷はタワーに落ちても、アースに流れるのでアンテナ・リグ共に全く障害されないそうだ。

Billは、かの名門のJohns Hopkins大学の出身で、医学生の頃K4GSUとしてactiveであった。当時、彼がミシガン湖のほとりの別荘からK4GSU/8としてオールアジアコンテストに良く出ていた。私がK4GSU/8と交信した記録が私の古いログに載っている。今月下旬にはそこに出かけ、スキーを楽しむそうだ。毎朝ローバンドのワッチを終えると、病院へ出かけ回診するのを常としている。先日はインフルエンザが流行だし、肺炎の患者が増えつつあるとの報告であったが、彼の病棟が今朝も落ち着いていることを祈ろう。

鬼澤信
JA1NUT